あらゆる角度から我が双肩の黒幕をあぶり出すラスボス討伐シリーズ、第3弾。
第1弾では「水すらリバースして休日診療へ滑り込んだ絶望」を、第2弾では「あごと首が裏でガッツリ密会して夜間労働に励む食いしばりの罠」をお届けしてきた。
そして今回、話はさらに肩から遠ざかる。
今回の主役は、「夜間低血糖と食いしばり」である。
出たよ。また新しい専門用語の登場である。
肩こりの話をしていたはずなのに、急に「血糖」という内科的なワードが飛び出してきた。肩こり、話を広げるのが総合商社並みにうますぎる。
最初に貼るやつではない方のカイロプラクティック(我が肉体をガタゴト調律してもらう方の施設)でこの説明を聞いた時、私は「いやいや、肩と血糖がどう繋がるのよ」と大いに疑った。
が、心当たりを脳内で検索してみると、これがまた出るわ出るわ、ヒット数がハンパないのだ。
睡眠中に交感神経が「夜勤」を決め込むシステム
先生から聞いた、朝バキバキ人間が製造される裏のメカニズム(仮説)がこちら↓
- 夜ごはんに炭水化物をたっぷり美味しくいただく。
- 血糖値がロケットのごとく急上昇(血糖値スパイク)。
- 脳「やべえ!血糖値下げるぞ!インスリン全開の舞!!」
- 寝ている間に血糖値が急降下。今度は下がりすぎてサスペンス状態に。
- 体「まずい、このままだとエネルギー切れで死ぬ!!(危機感知)」
- 本来なら副交感神経様が優位になって優雅に休むはずの睡眠タイムなのに、命の危機を感じた体が「交感神経(戦闘モード)」を強制起動。
- 交感神経、まさかの深夜残業(夜勤)へ。
- 脳内でアドレナリン等のホルモンがドバドバ出て、寝ているのに体にギュムッと力が入る。
- 結果:歯をこれでもかと食いしばり、朝起きた瞬間から肩がバキバキ。
これ。これなのですよ。
「しっかり寝たはずなのに、起きた時点で満身創痍な日」
「夜にご褒美として甘いものや炭水化物をドカ食いした翌朝、なんとなく鉛のように体が重い日」
すべてにガチッとピンが刺さる。
もちろん「私の肩こりの原因は夜間低血糖です!」と断定するつもりはないけれど、寝ている間の私の脳内で、勝手にそんな緊急会議が開かれていた可能性があるなんて、最高に新鮮な衝撃だった。
ちなみにその会議の議題は「血糖が足りません」。
私がアマプラでも観て平和に眠っている知らないところで、勝手にデモ活動を起こさないでほしい。それは確かに、朝起きたときの絶望的なしんどさ(定時退社済みの肩)に直結するわけである。
炭水化物が悪いんじゃない。「ジェットコースター」が過酷なのだ
ここで大いなる誤解を解いておきたいのだが、私は「炭水化物は人類の敵!」などと過激な食事制限を推奨するつもりは毛頭ない。
ごはんもパンも麺も大好きである。普通に美味しく食べたい。
問題は炭水化物そのものではなく、夜の「食べ方」によって引き起こされる血糖値ジェットコースターなのだ。名前だけでG(重力)を感じて酔いそうである。
空腹の状態でいきなり糖質をドカンと入れる。
夜に甘いものだけで食事を済ませる。
この急激なアップダウンの衝撃波が、睡眠中の自律神経を大はしゃぎさせてしまうらしい。
ちなみにカイロの先生には「夜に米を食べるなら、白米より玄米の方が血糖値が緩やかになるからおすすめだよ」と言われた。
理屈は分かる。もの凄くよく分かる。
意識高そうだし、体にも良さそうだ。
でもね、玄米を用意するのって、めちゃくちゃ面倒なのですよ。
健康への道が、急に「米の浸水管理」という高いハードルから始まるの、本当にやめてほしい。
そんな丁寧な暮らしを営む気力は、育児と家事と大学院とブログで消し炭になった私の夜のHPには残されていない。
導き出した戦術:野生の主婦スタイル
そこで、今の私が現実的な妥協点として行き着いたのが、「夜はそもそも、メインのおかず(タンパク質)を中心に食べる」という裏口ハックである。
肉、魚、卵、豆腐。
ちゃんとした健康意識というより、ただ単に「米を炊く・よそう」という工程すら面倒だからメインだけを皿に盛る。そして、夫の皿に出したお肉を、横からシュッと1〜2個横取るスタイル。
完全に野生の主婦である。
でも、これが結果的に「夜の糖質ドカ食い」を自然と防いでくれて、私の体にはかなり合っている気がするのだ。
もちろん、これは私のケース。
朝の肩こりや食いしばりで人生が止まりかけている民の皆様は、まずはゆる〜く「夜に何を食べたか」「糖質だけで済ませていないか」「翌朝の肩の戦闘力はどうだったか」をメモ程度に観察してみるのがおすすめ。
完璧な健康生活を目指すと、3日でシステムダウンする
今後、私が自分の体で実験してみたいアクションプランはこんな感じ。
- 夜に炭水化物「だけ」の単品で終わらせない
- 逆に、極端な糖質制限で空腹のまま寝ない(それはそれで低血糖で目が覚める)
- おかず(卵や冷奴など)を1品プラスして、血糖値の坂をなだらかにする
- 翌朝のあごのだるさと肩のバキバキ具合をゆるくメモする
ポイントは、完璧を目指さないこと。
「血糖値の安定のために、毎食20種類の食材をバランスよく……」なんて義務感を持ったら、たぶん3日でシステムダウン(三日坊主)する。
健康のために疲弊するの、完全にパラドックスなのよ。何かが違う。
毎日完璧は無理でも、「菓子パンだけで寝るのをやめて、ヨーグルトかナッツを添える」くらいなら、現実的にできる日もありそうだ。
まとめ:あなたの肩は、夜な夜な戦っているかもしれない
肩こりなのに、食いしばり。
肩こりなのに、血糖。
最初は風が吹けば桶屋が儲かる的な話だと思っていたけれど、人間の体はすべてが繋がっている一つの大きなシステムなのだな、と最近はつくづく思う。
姿勢を良くしても、肩をどれだけ揉みほぐしても朝から息絶えているなら、それは夜な夜な開催される「血糖値サスペンス」のしわ寄せが肩にきているのかもしれない。
一発で全てが解決する魔法の杖はないけれど、食事と睡眠のコンボに視点を向けるだけで、戦い方のバリエーションは一気に増えるわけだ。
ということで、次回(第4弾)は、この骨格の歪みを足元から操っているかもしれない地味な伏兵、「浮き指と姿勢の大作戦」について解剖していきたい。
それでは同志の皆様、今夜は糖質を優しくなだめて、深夜の交感神経の夜勤を全力で阻止しましょう。
📚 今回の脳内参考データ
- Kato T. et al. Sleep bruxism: an oromotor activity secondary to micro-arousal. Journal of Dental Research, 2001.
- Huynh N. et al. Sleep bruxism is associated to micro-arousals and an increase in cardiac sympathetic activity. Journal of Sleep Research, 2006.
- Lavigne G. J. et al. Genesis of sleep bruxism: motor and autonomic-cardiac interactions. Archives of Oral Biology, 2007.
- Farabi S. S. Type 1 Diabetes and Sleep. Diabetes Spectrum, 2016.
- Feupe S. F. et al. Nocturnal Continuous Glucose and Sleep Stage Data in Adults With Type 1 Diabetes. Journal of Diabetes Science and Technology, 2013.
⚠️ 超重要なお約束
この記事は、私個人のドタバタ体験談と調べたデータをまとめたものです。特定の原因や治療法を100%断定するものではありません。
夜間低血糖や睡眠中の食いしばり、あるいは生活に支障が出るレベルの強い肩こりが気になる場合は、自己判断せず医療機関や歯科へ相談してくださいね。特に、糖尿病の治療中で血糖を下げるお薬を服用されている方は、低血糖のコントロールについて必ず主治医のドクターにご相談ください。

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